雪国の農家にとって、冬は「試される季節」です。
北国の農家が冬に収入を得る手っ取り早い方法は「園芸ハウスなどの栽培施設を持つ」事なのですが、固定費増加方面の投資は気候変動の影響を受けやすい農業にとって経営リスクになり得る、というジレンマがあります。
「年内定植し翌春収穫する露地越冬作物を栽培する」という妥協案はありますが、春作業が忙しいメロンを稼ぎ頭に据えている当農園としては採用しがたい状況があります。
ならばと「栽培施設の要らない露地作物を栽培する」事を考えますが、そんな都合の良い作物は滅多にありません。
(雪下○○系の作物を栽培できる地方が羨ましい・・・)
農家から農業経営者へとクラスアップするためには、冬季業務量不足の解消が命題となります。
希望、もとい想定を「見える化」してみました。
啓翁桜が無い場合の、最も急がしい月の必要労働力(=発生業務量)を100とし、メロン、ストック、啓翁桜について月ごとに積算し棒グラフ化しています。
現状、忙しさのピークはメロンの手入れ~収穫時期であり、これにストックの播種~八重鑑別が続きます。
冬季はピーク時の1/4程しか仕事がありませんので、啓翁桜を取り入れる事で平坦化を目論んでいます。
さらに野望、もとい理想をグラフ化するとこんな感じです。
夏の急がしさと冬の忙しさを均衡させるレベルまで啓翁桜を増やし、地元の米農家さんの作業受託(春の播種、秋の収穫)も取り入れてみました。
これならば、変形労働時間制をどうにか適用できそうな気配です。
通年の収益性は、程度はともかく低下は避けられない感じでしょうか。
半分ボランティアで働いている家族という名の専従者を、労働基準法を共通認識として関係を築く被雇用者に置き換えていくというのは、やはり大きな壁です。
しかし、当農園で熱心に働いて下さるパートさんや作業受託者さんの生活をも維持する為には、避けては通れない試練なのです。
できている同業がいるなら自分にもできるはずだし、気力も体力もまだ十分にあるつもりだし、後発だからそこら中に参考資料が転がっています。
他人のレールの敷き方を参考にして自分のレールを敷くスタイル、割と良いと思いませんか?