当農園で栽培されているメロンがどういう物かを知らなければ、食うも食わぬも有りません。
私は自分が食べて美味いと思える品種しか取り扱いませんので、きっとどのメロンも美味しく食べて頂けると自負しております。
もちろん品種にこだわりを持つお客様もおられますので、選び方や生産者視点での現状などをいくつか解説いたします。
小林直太郎農園の主力栽培品種は、アンデス(青肉)、キスミー(青肉)、クインシー(赤肉)です。
シーズン中は青肉ならば何かしら採れています。同時に赤肉も少量づつ採れます。
播種計画の時点で収穫期が重ならない用に調整しているため何種類ものメロンを同時に扱う事はあまりありませんが、近年のミックス需要に応えるべく多少かぶせ気味になりつつあります。
青肉は「アンデス → キスミー」とリレーされます。
甘味が強く、濃厚で複雑な風味を持つメロンです。
網目は細かく、黄色が強い黄緑色で、しっかりとした食感を楽しめます。
アールスの系統を含んではいますが、いまや独自の系「アンデス系」の旗印として君臨しています。
ネットメロン栽培初期からある品種系統で「安心ですメロン」が名前の由来です。
当農園のアンデスは我々が言う所の“昔のアンデス(アンデス1号)”であり、肥大性や栽培性よりも食味を重視したタイプです。
商品化率の低さや肥大のしにくさなどの理由から生産者が減少傾向にありますが、根強いファンからの指名買いが多い品種です。
少果栽培は1株に付ける実の数を減らし、メロン一つ一つの質を高める栽培方法です。
不良率低減、糖度上昇、果実肥大に絶大な効果を発揮します。
当農園では6月末から7月下旬までの青肉需要の大半を受け持つメイン品種です。
芳醇な香りとスマートな後味が特徴の、食後満足感に優れるメロンです。
アールス系統とアンデス系統を兼ね備える品種ですが、風味はアールス寄りに感じます。
甘味と酸味のバランスが良く、高級感溢れるマイルドな食味は、さすがアールス系と思わせてくれます。
黄緑から黄色へのグラデーションが美しい果肉で、熟すと皮の際まで食べられます。
きれいな網目を得るにはややコツがいりますが4L以上の大果になりやすいのも特徴で、「デカいメロン頼む!」といったご注文にはキスミーが最適です。
暑さに強くて日持ちも良く、盆のご進物として人気が高いです。
当農園では7月下旬から8月中旬までの青肉需要の大半を受け持つメイン品種です。
甘みが強く、果汁感あふれる赤肉メロンです。当農園の彩り担当。
きれいな濃橙色の果肉は肉質が緻密で可食部が厚く、食べ応えがあります。
あまり良い表現ではありませんが「かぼちゃ色」ですね。
アールス系が入ってはいますが、青肉たちとはやや質の違う甘さと味わいを感じます。
過去一度だけ、試食されたお子様が「キャラメル味だ!」とおっしゃった事がありました(驚)
名前の由来はクイーン(女王)+ヘルシー(健康)、ネット模様の発現も美しく、品格十分です。
当農園ではシーズン通して赤肉需要の大半を受け持つメイン品種です。
当農園では上記3種のメイン品種に加え、サブ品種も少量づつ栽培しています。
ザ・安定「パンナ」、大果は正義「アンデスナナ」、食味優先「タカミ」、希少「グランドール」、有るようで無かった「赤いアンデス」などです。
これらは不定期栽培ですので、店頭在庫についてはお問い合わせいただきたい所です。
また、「コレはっ!」と感じた品種があれば、少量だけ試験栽培したりします。
品質が合格ラインに達すれば当年から店頭に並ぶ事もあります。
2016年はアンデスナナを、2017年はタカミとグランドールを試作し、栽培に苦労しながらも各所に喜んでいただきました。
2022年はヨーグルト味の「ヨーグルキッス」です。食味や如何に?
浜中地区はどこを見てもメロン畑であり、私の仲間たちもそれぞれの家が得意とする品種を手塩に掛けて育てています。
もしお目当ての品種があるならぜひご相談ください。もしかしたらお力添えできるかもしれません・・・!