庄内砂丘はメロンの名産地という事はすでに有名ですが・・・
なぜそう言われるかは案外知られていません。
砂漠っぽいから植物を育てるのは無理そう?
日本海はいつも荒波暴風というイメージがある?
たしか日本の最高気温記録は山形だったような?(※現在は違います)
いや逆に、雪国だから夏でも寒そう?
たしかに厳しい気候風土ではありますが、それが全てメロンにとってプラスになっているのが庄内砂丘の面白いところなのです。
庄内砂丘は延長30kmを超える、日本一長い砂丘です。
砂地は水はけが良く、根が逞しく健全に育ちます。
栽培序盤、意図的に潤いと乾きを交互に与え、とにかく頑丈な根っこを作らせます。
後半は萎れるギリギリまで水の量を減らし、養分を実に濃縮させて濃い味のメロンに仕上げます。

これを実践するには、十分な水抜けが期待できる砂丘地でなければなりません。
水抜けの良さが砂丘地の利点ですが、水やりを失敗すればアッという間に作物が枯れてしまうという欠点も持ち合わせています。
しかし庄内平野の北には鳥海山(別名:出羽富士)が鎮座し、雪解け水を由来とする豊富な地下水を麓に供給しています。
何十年と掛けて庄内平野に染み渡る潤いのおかげで、極端な地質でも作物を制御することが可能なのです。

厳しい雪国の冬が、巡り巡って夏のメロンを支えていたといえます。
浜中地区には「日本海風が舞い上げる砂が民家を埋めてしまう程だった」「食事時は傘を差さないとお膳が砂まみれになった」「砂捨てが日課だった」という、何とも笑えない伝承があります。
ご先祖様たちは300年も前から必死に植林し、また維持することで、現在の世に機能的で美しい松林を残してくれました。

今、その松林のおかげで強すぎる海風は退けられ、ビニルハウス栽培や露地トンネル栽培などの施設栽培が可能になりました。
メロンは「温度差」という刺激が無いと健全に育たない事をご存知ですか?
西からの強風は防砂林により和らげられ、適度な涼風をもたらしました。
夏でも肌寒いぐらい夜温が下がる浜中地区は昼と夜の気温差が大きく、そこに生きる植物は光合成と休息にメリハリが出てきます。その刺激が美しいメロンの模様(ネット)の発生を促し、また、更なる糖度上昇の助けとなります。

温暖な気候を好むメロンといえども昼夜通してダラダラと暑いだけでは美味しくならないのです。
気候風土はもちろんですが、お中元商品の発送地としても浜中地区は恵まれています。
メロン最盛期のタイミングがちょうど盆前であり、国内における最大需要期に当たります。
7月のメロン取扱量では山形県が日本一と言われています。
そしてその膨大な需要に応えるべく、強力で多彩な発送ルートが浜中地区にはあります。
国道112号線が浜中地区の真ん中を、日本海東北自動車道が東部を走っており、庄内空港ICも目の前です。
地区内南部の庄内空港を活用すれば、遠方のお急ぎ注文にも対応可能です。
更に一般道30分圏内には国指定の重要港湾である酒田港や、庄内地方の中心駅である酒田駅、余目駅、鶴岡駅があります。
日本全国に向けてメロンをお届けする上で、また庄内砂丘メロンを目当てにご来訪いただく場合でも、かなり便利な地域です。
※当農園へのご来訪をご検討中の方、ぜひ庭先直売所の地図もご参照ください!