多品種栽培にはワケがある
当農園で栽培されているメロンがどういう物かを知らなければ、食うも食わぬも有りません。
私は自分が食べて美味いと思える品種しか取り扱いませんので、きっとどのメロンも美味しく食べて頂けると自負しております。
もちろん品種にこだわりを持つお客様もおられますので、選び方や生産者視点での現状などをいくつか解説いたします。
品種リレーとは?
小林直太郎農園の主力栽培品種は、アンデス(青肉)、キスロマン(青肉)、クインシー(赤肉)、です。
令和6年からはタカミ(青肉)が主力入りしました。
シーズン中は青肉ならば何かしら採れています。同時に赤肉も少量づつ採れます。
播種計画の時点で収穫期が重ならない用に調整しているため何種類ものメロンを同時に扱う事はあまりありませんが、近年のミックス需要に応えるべく多少かぶせ気味になりつつあります。
青肉は「アンデス → キスロマン」とリレーされます。
ずっとアンデス!みたいに単品種にした方が生産や販売はラクなのですが、アンデスメロンには「暑すぎると株がツブレる」という弱点がありまして・・・
後半はどれだけ暑くても絶対にツブレないキスロマンにバトンタッチして、シーズン中の高品質提供を維持しています。
各品種の特徴
アンデスメロン(青肉)
甘味が強く、濃厚で複雑な風味を持つメロンです。
網目は細かく、黄色が強い黄緑色で、しっかりとした食感を楽しめます。
アールスの系統を含んではいますが、いまや独自の系「アンデス系」の旗印として君臨しています。
ネットメロン栽培初期からある品種系統で「安心ですメロン」が名前の由来です。
当農園のアンデスは我々が言う所の“昔のアンデス(アンデス1号)”であり、肥大性や栽培性よりも食味を重視したタイプです。
商品化率の低さや肥大のしにくさなどの理由から生産者が減少傾向にありますが、根強いファンからの指名買いが多い品種です。
当農園では6月末から7月中旬までの青肉需要の大半を受け持つメイン品種です。
キスロマンメロン(青肉)
旧名はキスミーメロンです。2025年産より種苗会社都合で改名されました。
中身は同じものなのでご安心ください。
芳醇な香りとスマートな後味が特徴の、食後満足感に優れるメロンです。
アールス系統とアンデス系統を兼ね備える品種ですが、風味はアールス寄りに感じます。
甘味と酸味のバランスが良く、高級感溢れるマイルドな食味は、さすがアールス系と思わせてくれます。
黄緑から黄色へのグラデーションが美しい果肉で、熟すと皮の際まで食べられます。
きれいな網目を得るにはややコツがいりますが4L以上の大果になりやすいのも特徴で、「デカいメロン頼む!」といったご注文にはキスロマンが最適です。
暑さに強くて日持ちも良く、盆のご進物として人気が高いです。
当農園では7月下旬から8月中旬までの青肉需要の大半を受け持つメイン品種です。
クインシーメロン(赤肉)
甘みが強く、果汁感あふれる赤肉メロンです。当農園の彩り担当。
きれいな濃橙色の果肉は肉質が緻密で、アンデスやキスロマンとはまた違った食感を感じられます。
あまり良い表現ではありませんが「かぼちゃ色」ですね。
古い赤肉品種で問題になった「カロテン臭」も克服し、全国にいくつかある赤肉品種の中でも完成度が高い部類に入ると思います。
過去一度だけ、試食されたお子様が「キャラメル味だ!」とおっしゃった事がありました(驚)。
名前の由来はクイーン(女王)+ヘルシー(健康)、ネット模様の発現も美しく、品格十分です。
当農園ではシーズン通して赤肉需要の大半を受け持つメイン品種です。
タカミメロン(青肉)
2024年栽培分より、ついに当農園のメイン品種に格上げとなりました。今後、栽培面積を増やしていく予定です。
糖度上昇力がとても高く、食味も濃厚です。棚持ちも長いので、追熟完了後もじっくりと食べ進められます。
外観を問わずに一番美味しい品種はどれかと聞かれたらコレです。
その見た目から「青臭そう…本当に美味しいの?」といったお問い合わせもありましたが、地道な布教?が功を奏しはじめ、ようやく指名買いが増えてきました。
欠点は、寒いと着果が不安定になる事と、暑いと頂部が日焼け割れする事。栽培者の手腕を試される品種です。
その他の品種について
当農園では上記4種のメイン品種に加え、サブ品種も少量づつ栽培しています。 安定「パンナ」、希少「グランドール」などです。
その年に栽培するかどうかは未定ですので、栽培状況についてはお問い合わせください。
※グレイアウトは栽培をお休みしている品種です。